焼き入れ、銘切り(めいきり)

焼刃土が十分に乾いたら、焼き入れです。焼き入れは通常、夕方から日没後に行われますが、日中であれば日を遮断します。これは、刀身の赤らむ色具合を確実に見定め、焼き入れに適した温度に達しているかを判断するためです。
ホドの中で赤めるにあたって、刀身全体に均一に熱が通るよう、刀身が十分に入るように延長されたホドで、常に抜き差ししながら見定めて行きます。
約800度に熱された色合い、頃合いを見定めてから刀身を引き出し、水槽へ入れて急冷します。これによって焼刃土が薄くぬられていた刃の部分は硬い組織をするのです。
焼き入れの後は、軽く熱して水槽に浸ける作業を数回、必要に応じて行います。

焼き入れの工程が全て終わると、荒砥(あらと)と呼ばれる砥石で刀身全体を研ぎ、焼き入れの具合やキズの有無を確認します。

反りや捩じれが生じている場合は小槌を用いて修正を行い、仕上げの作業へと移行します。

納得できる出来栄えであるかを判断した後に銘を刻みますがこれを「銘切り(めいきり)」と呼び、製作者の名前のみの場合と製作年月日や地名を入れる場合とがあります。日本刀に銘を入れる場所は、太刀であれば茎の佩表(はきおもて)、それ以外では指表(さしおもて)に刻みます。これを表銘(おもてめい)と呼び、裏側に刻まれた製作年月日を裏銘(うらめい)と呼びます。銘切り台り、銘切りたがね、小槌が用いられます。