刀の作られ方(鍛錬)

積み沸しの後はいよいよ鍛錬です。この工程はテレビ番組でも目にする機会が多いので、イメージしやすいかと思います。鍛錬は、鋼の中の不純物をはじき出し、炭素量を均一に整えるために鋼を鍛えることです。玉鋼は、採取地によって含有炭素量に大きく差がでることもありますので、鍛錬によって十分平均化する必要があります。

刀匠が横へ座り、金敷の上に鋼を置き、小槌で叩きます。その音にしたがって2~3名の先手(さきて)が大槌でもって叩きます。
相槌を打つという言葉がありますが、これは刀匠の合図で先手が打つ鍛錬の作業から派生して用いられるようになったものです。

叩く先手が二人の場合は「二丁がけ」、三人の場合は「三丁がけ」と呼びます。
鋼が厚さ2cmほどに打ち延ばされると、真ん中に「たがね」で切れ目を入れます。そして小槌で叩いて折り返し二枚に重ねます。これを「折り返し鍛錬」と呼び、工程の前半を「下鍛え(したぎたえ)」後半を「上鍛え(あげぎたえ)」と表現します。
折り返し鍛錬は15回程度行いますが、およそ3回ほどでその鋼が良質なものかどうかが判別できます。粘りがでて鍛え込まれると、8回ほど折り返したところで炭素量をみます。状態が良ければ上鍛えへ移行しますが、そうでない場合は炭素量の調整を行い、さらに鍛えなおします。

下鍛え、上鍛えを経て15回ほど折り返し鍛錬が行われると、鋼の板は実に30000枚を超える層状となります。「折れず、曲がらず、よく切れる」をうたう日本刀の強靭さの理由がここにあります。